お疲れ様です。
自分の創作話を掲載することによって、
記事数を楽に増やそうとしている内向的bです。
今回は、内向的bの創作物「借金取りといっしょ!の人探し」の掲載記事になります。
どんな話?
この創作作品は、
・写真調の 挿絵いっぱい!ノベルゲーム風小説 です。サクサク読めます。
・考えすぎるライター&怪しい借金取りによる、不気味で 笑えて ほっこりする 人探しミステリー!です。
・ジャンルは、ミステリー&ブロマンス です。
もうちょっと詳しく言うと…
・主要登場人物が3人だけ!殺人事件、探偵、警察も出てこない珍妙ミステリーです。
・2人の感情の動き、距離の変化、クソデカ感情をじっくり堪能できます。
・内向的な方におすすめ!「疲れにくく、深く楽しめる」物語になっているはずです。
注意事項
・この作品はkindleで販売済み&購入者様もいらっしゃるため、結末まで掲載しません。
上巻の5~6割くらいまでの掲載とする予定です。あらかじめご了承ください。
あらすじ
―預かって欲しいものがある。
そんなきな臭い頼みを、恩人の先輩から引き受けたライターのy。
がその直後、先輩は音信不通となった…。
不安に駆られたyは、先輩の住む都心のアパートへと向かう。
そこで底知れない恐怖を感じさせる男、借金取りのKと出会うが…
日常に潜む…”闇”を垣間見る不穏なミステリー
あなたも少し覗いてみませんか…?
本文 「借金取りといっしょ!の人探し」
プロローグ
ピンポーン
閉ざされたドアの向こうで、チャイム音がくぐもって響いた。

夕闇が迫る迷路のような住宅街。その中に埋もれるようにして建つ、古いアパート。
3日前「頼みがある」と電話で助けを求めてきた大学時代の先輩が、ここで僕を待っているはずだった。
……反応がない。中は静まり返っている。
(…たまたま外出している、というのは楽観的過ぎるよな…)
先輩とは、2日前から連絡が取れなくなっていた。
不安に駆られ、予定を早めて先輩のアパートに駆けつけた。
しかし覗いたポストにはチラシ等がたまっており、不在が今日だけではないことを物語っていた。
数時間前に送った、訪問の連絡メッセージにも既読マークはなかった。
もう一度チャイムを押し、ドアに接して聞き耳を立ててみた。
だが押し付けた耳に返ってきたのは、ドアの冷たさと静寂だけだった。
家にも帰れず、連絡すらできないほど忙しいのだろうか?
それとも…先輩の身に何かが起こってしまったのか…?
―いや、まずは、確認をしなければ…
先輩の頼みを果たすため、次の手段を取ろうとした時だった。
「やっぱおらんよね~?」
!!?
唐突に現れた、知らない声。
全く予期していなかった存在に、僕は冷たい手で心臓を掴まれたかのように飛び上がった。
声がした方、アパートの入口付近を見やる。
電灯が灯らず薄暗い通路の先に、背の高い男がいた。
黒いスーツのせいか、暗闇から湧いて出てきたような印象を受けた。
男は、どこか見定めるように目を細めて、僕を見た。

3日前、9月2日月曜日。
僕は「アナコンダに生きたまま丸呑みにされる女」の動画のサムネイルを見て、ため息をついていた。

新しい仕事は「多重債務者の恐ろしい末路についての噂」という、アンダーグラウンド系の記事だった。
動画のような「スナッフビデオ」への出演、海外へ売り飛ばされるといった都市伝説的なもの。
定番のタコ部屋、マグロ漁船、風俗送り。
他にも臓器売買の餌食になったり、暴力や詐欺などの犯罪を強要されたり…
ざっと調べただけだが、こうした恐ろしい噂がまことしやかに囁かれていた。
こういう分野は時々依頼が来るのだが、ぶっちゃけ扱いが難しい。
自分も怖いもの見たさで興味はあるし、調べるのも好きだ。
しかしいかんせん、一般人が調べても出てくる情報は限られている。
そのため、半分以上憶測で記事を書くことになり、モヤモヤしてしまう。
元リサーチャーとしてこれでいいのかと。
まあ、依頼元も真相に迫ってほしい訳でないのは、承知していた。
素人が追える範囲の事実を、想像でふくらませ、それっぽい感じにまとまった記事を求めているのだと思う。
そもそも本気で真相に迫る記事なら、僕へ依頼はしないだろう。
こうやってグダグダいらないことまで考えてしまうのは、性格・性分だった。
”そんなの考えすぎ”
”気にし過ぎだよ”
”そんなに考えなくていいんだよ”

今でも時折リフレインされる、家族や上司同僚などから投げかけられた言葉達。
(でも、それがなかなか出来ないんだよな…)
僕は周囲の人達、いやたぶん多くの人達のように、軽やかに考えられなかった。
そう出来たら楽なんだろうなと思うのに、出来なかった。
あれこれ考えるから決断はもちろん、人と話したり打ち解けるのにも時間がかかった。
色々考えて心配したりして、勝手に疲れてしまうこともある。
出来ないから、多くの人と違うから「なんで」って聞かれるし、言われてしまう。
なんでなんだろう…?
―たぶん、もう直すのは無理なくらい形作られてしまった性分なのだろう。
そう結論付けた僕は、この性分の事はだいぶ前に諦めることにしたのだった。
それに、苦労というかしんどく感じることも多いこの性分だが、良い面だってあった。
よく考えてから行動すると、危険を回避できる事が多い。
あれこれ考えて「助けてほしい」と口に出せない、人に頼れない自分にとってそれは、重要な生存ツールとなっていた。
それにこうした記事を書く仕事にも、大いに生かすことができた。
僕は、依頼を受けて調査が必要な記事を書く、フリーのライターをしている。

今回のような社会の暗部から、オカルト系、あとは前職の知識が生かせるマーケティング関連の記事を書くことが多い。
特に都市伝説や噂の真相を探るような記事は、無駄にグダグダ考える自分と相性がいいらしい。
今回の依頼元も、そういったグダグダ思考記事の受けがいいお得意様だった。
(さて、まずは基礎的な情報をネットで見てみるか。
そこから、キーワードとかで派生させて調べていって…
闇金関係の書籍もチェックしておきたいな…
回収方法の詳細まで書いてあるサイトや本があれば…)
大学時代の先輩であったSから電話がかかってきたのは、そんな風に記事作成の段取りをしていた時だった。
久しぶりに聞いた声には、焦りが滲んでいた。
”少しの間、預かって欲しいものがあるんだけど…
頼めないかな…?”
今回はこの辺で、切りますかね!
続きは次回の掲載記事か、Amazon kindle 借金取りといっしょ!の人探し(上) の
無料試し読みでどうぞ~
ではまた~
★感想・アウトプット的スペース★ 閲覧者様の思ったこと、聞かせてくれませんか…?