お疲れ様です。
最近はもっぱら、記事数稼ぎ…じゃなくて自分の創作作品をアップしている内向的bです。
この記事は、内向的bの創作物「借金取りといっしょ!の人探し」の掲載記事になります。
「………?」
となった方は
目次から「初めましての方、この創作物は…」へジャンプしていただき、
最初にそちらを読まれることを推奨します~
本文 「借金取りといっしょ!の人探し」
9月9日月曜日、夕方。
「ええ”ー、手料理がええ~」
するりと巻き付いた腕が、強い力で僕の腕を捕らえている。
Kはそうやって僕が車外にある目的地、スーパーに行くのを阻止しようとしてきた。
「ほんまに惣菜は嫌やねん…
ボクもお手伝い、いつもよりめっちゃ頑張るからぁ…お願いぃ……
な?作って?」
でかくて怪しい男はそう言って、上目遣いで首を傾げながら僕を見上げてきたのだった。
(…なんなんだこいつ…あざとかわいい女子でも目指してるのか…?
ちょ、腕に胸を押しつけられても困るんだけど…)
「………申し訳ないんですが、…今日はほんとに勘弁してください。疲れてしまって…
それにたまには違うの食べたくなりません?飽きませんか?僕の料理ばっかじゃ。」
「飽きひんしぃ…」
………………………………はぁ。
不動産屋とKのやり取りの後、僕達は格安宿巡りを再開した。
午後は19軒ほど回ることができたが、相変わらず収穫は0だった。
(……なんか、疲れてるんだよな…)
昨日から始めた現地での捜索。
普段かなりのインドアのせいか、僕はほとほとくたびれ果てていた。
それでも昨日はざる蕎麦ともろきゅう、プラス過去の夕飯の残りで、なんとか夕食を凌いだ。
今日は車でしか回っていないので、肉体的な疲労は昨日ほどではないはずだった。
にも拘らず、いまいち夕飯をいちから作る気力がわいてこなかった。
(たぶん、気持ちが焦ってしまって、精神的に疲れたんだろうな…)
だが、惣菜を利用したい理由は疲労感だけではなかった。
7日以降も捜索の合間や、夕飯後にも地道に進めていた、モザイクアプローチ。
今日の夕飯後は、そのモザイクアプローチに追い込みをかけたい、と計画していた。
ただその計画も、成果を期待して立てたわけじゃなかった。
作業時間を多少増やしたくらいで、大きな手掛かりを見つけられるなんて思っていない。
今更追い込みをかけたって、状況はたいして変わらないだろう。
(でも、だからって何もせずにのうのうと過ごすことも、出来そうにない…)
失踪から一週間が経とうとしている今、できる限りのことをしておきたかった。
後悔が生まれないようにしたかった。
そのための余力を残しておきたくて、夕食に割く労力を少しでも減らしたかったのだ。
そしてそんな僕の目の前には、スーパーがあった。これはぜひ、惣菜を買って帰りたい…
そのためにはまず、Kを説得するという壁を乗り越えなければいけない。
息を長く吐いて、呼吸を整える。
「…Kさん…あ、あのですね、世のお母さん、主婦(夫)さん達だって、スーパーの惣菜を取り入れたりするんですよ。」
「えーー…、………そう、なん…?」
お。半信半疑といった風だが、切り崩す余地はありそうだ。
意外と素直かもしれないぞ…?
「Kさんが好きな家庭料理って、何も手料理に限ったものじゃないと思うんです。
今日は見聞を広げてみませんか?」
「見聞を広げる……」
「そうです。…あ、そうだ、アイスも買って帰りましょう!Kさんが好きなの選んでいいですから!」
「んー…」
(くっ、アイスにのってこないだと…!仕方ない、アレでいくか…)
「…あー、じゃあ、今日の代わりに明日…は無理かもしれませんが、どこかの夕食を2品まで、Kさんのリクエストメニューにしてもいいですよ。」
「!」
こうして僕は、駄々をこねるKの説得になんとか成功したのだった。
ただ、少しは手間かけたよアピールも忘れてはいけない。
まず買ってきた豆腐を切り、昨日使った山形だしの残りとミョウガをのせ、冷や奴にする。
次は惣菜の唐揚げを使って丼物を作る。
先に片栗粉を水で溶いておく。
そして鍋に細かく切ったネギと、水、鶏ガラスープのもと、みりん、酢、豆板醤、しょうゆを入れて煮立たせる。
そこに水溶き片栗粉も入れ、とろみがついたら買ってきた唐揚げを投入して絡める。
丼にご飯を盛り、その上に買ってきたカットレタス、最後に餡を絡めた唐揚げをのせる。
海苔もあったので、散らしてやった。
あとは他の惣菜数品を皿に移し替えれば、見た目もボリュームもOKだと思う。
(自分だけだったら皿洗うのが面倒だし、移し替えたりはしないけど…
対価でもあるしな…)
僕は惣菜を皿に並べながら、昼の、むごい見栄え弁当のことを少し反省したりした。
(それに…)
他にも少し思うところがあった僕は、精一杯の盛り付けをして提供してやったのだった。
では今回はこの辺で!
続きは次回の掲載記事か、Amazon kindle 借金取りといっしょ!の人探し(上) でどうぞ~
ではまた~
初めましての方、この創作物は…
創作物掲載記事に初めて遭遇してしまった閲覧者様へ、
この作品の概要や、注意点についてご紹介します!
●どんな話?
・写真調の 挿絵いっぱい!ノベルゲーム風小説 です。サクサク読めます。
・考えすぎるライター&怪しい借金取りによる、不気味で 笑えて ほっこりする 人探しミステリーです。
・ジャンルは、ミステリー&ブロマンス です。
もうちょっと詳しく言うと…
・主要登場人物が3人だけ!殺人事件、探偵、警察も出てこない珍妙ミステリーです。
・2人の感情の動き、距離の変化、クソデカ感情をじっくり堪能できます。
・内向的な方におすすめ!「疲れにくく、深く楽しめる」物語になっているはずです。
●注意事項
・この作品はkindleで販売済み&購入者様もいらっしゃるため、結末まで掲載しません。
上巻の5~6割くらいまでの掲載とする予定です。あらかじめご了承ください。
あらすじ
―預かって欲しいものがある。
そんなきな臭い頼みを、恩人の先輩から引き受けたライターのy。
がその直後、先輩は音信不通となった…。
不安に駆られたyは、先輩の住む都心のアパートへと向かう。
そこで底知れない恐怖を感じさせる男、借金取りのKと出会うが…
日常に潜む…”闇”を垣間見る不穏なミステリー
あなたも、少し覗いてみませんか…?
1話目はこちら→ №1-借金取りといっしょ!の人探し (内向的な方にオススメ)
あと、念のため…
この創作物は、内向的bが文も、絵というか画像も、全部一人で作ったものになります。
AIさんの手すら全く借りていない、ペンネーム通り「ぼっち」で作り上げた作品です。
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「借金取りといっしょ!の人探し」は、内向的bが心を込めて作った作品です…
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この物語はフィクションです。
作中で登場する人物、団体、名称、事件等は架空のものです。実在のものとは関係ありません。
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