お疲れ様です。
人に質問したりするのが苦手な、内向的bです。
まずは過去資料などを漁り、Google先生に聞き、それでもだめなら…
質問事項を箇条書きにしたメモとペンを持ち、タイミングを散々見計らって、いざ突撃…!
というわけで
この記事は、内向的bの創作物「借金取りといっしょ!の人探し」の掲載記事になります。
「………?」
となった方は
目次から「初めましての方、この創作物は…」へジャンプしていただき、
最初にそちらを読まれることを推奨します~
本文 「借金取りといっしょ!の人探し」
僕は自分の失策に気づき青くなった。
しかしそのタイミングで、Kが先ほどの続きを語り出してしまう。
そしてその内容は、僕が想像していた事の斜め上を行っていた。
「あー、あのな、その、…
yさんが作ってくれたあの肉じゃがにな…
その、一目惚れちゅーか、一口惚れしたんよ…」
「……………………………………は?」
振り返らずにはいられなかった。
勢いよく見返したその先。
そこには、なにやらもじもじと似合わない空気を漂わせているKがいた。
「いや、あのほんま、ほんまに胃袋掴まれてしもたんよ…
で、あーこの人のご飯、毎食食べたいなぁ…って思うて…
んじゃ、どう話持ってったらええかなー?ってなって…
……で…ええと、色々言うたわけや。」
僕がじっと見つめていると、Kは観念したように共同捜索の真意を暴露していった。
予想外の内容に脳の処理が追い付かず、僕はただパチパチと目を瞬かせていた。
そんな僕の反応をKは悪い方に解釈したらしい。慌てて、自分に任された務めは果たしていることを申告してきた。
「で、でもちゃんと目撃情報とかは頼んどるからな?
ちょい…大見得切った感、はあるけど…」
と最後は珍しく自信なさげに付け加えたのだった。
(………………え……、嘘だろ……?)
そう思いながらも僕は、Kが嘘を言っているとは見ていなかった。
むしろこの上なく本音を言っているようにしか、見えなかった。
何か裏がある、とは思っていた。
だがそれが、まさかこんな…こんなにも拍子抜けするものだったとは。
ただ、食べたかっただけ、とか。
Kも<A>を狙っているんじゃないかとか、えらい取り越し苦労をしていた自分がこっ、滑稽すぎて………つらくなってきた。
「……そんなに、気に入ってくれたとは思ってもみませんでした…」
「う、うん」
「協力してもらえて、すごく助かりました。
僕だけじゃ、こんなにトントン進められなかったと思うし…
格安宿巡りも、不動産屋との件も…」
自分だけだったら、あーだこーだ考えてなかなか行動に移せなかったと思う。
聞き込みや交渉事でも、Kにはかなり助けられた。
「役に立っとったんならよかった〜…
最初いかにもボク役に立つで!って言うてたくせに、口だけで使えんわとか思われとったら、どないしょうと思うとった~…」
ほっとしたように笑みをこぼしたK。
それを見て僕は、一番有難かったことも伝えておこうと思った。
「あと…あの、
こうやって…悩みを聞き出してもらえるのも、すごく助かりました…」
考えすぎて悩みすぎて面倒臭くなってる僕にわざわざ声をかけて、思ってることを吐き出させてくれた事。
いつもなら、ネガティブ思考や感情の迷路を抜け出すことに一日から数日を費やしていた。
でもKと話をして、まるで手を引かれるように、あっという間に迷路の出口に辿り着くことができたのだった。
「そら良かったわ。またなんかあったか?って思うたら声かけるから、そん時はまた聞かしてな~?」
「は、はい……」
(でも…これがKの言ってた「依存するように仕向ける」布石かもしれないし…
気を引き締めるべき、でもあるよな…)
Kが<A>を狙っている可能性は低いことが判明し、僕は大きな不安が一つ減ったと安堵していた。
だがその一方で、闇金絡みやK個人の”好きな事”には、警戒を続けていくべきだと思っている。
ちょうどKに依存してしまいそうな体験をしたばかりだ。
これ以上内側に根付かれるのは危険だと感じながら、僕は会話を続けた。
「あっでも、捜索はお仕事に支障のない範囲でいいですからね。」
「ああ、そこは大丈夫やで。合間合間にとか、ちょい抜けさしてもろた時にやっとるから。
言うたやん?ボク優秀やって。あれはホンマやでw」
と軽口を叩いた後、Kはふと口を閉じた。そして少ししてから静かに切り出した。
「それにな…」
「?」
少し目を伏せるようにしていたKは、次に僕の目をしっかりと見つめ、言葉を続けた。
「ボク達もう立派なバディやん?
二人の目標、ちゃんと達成したいってボクも思てんで!」
思いがけないKの前向きな言葉に、僕はびっくりしてしまった。
そして動転した僕はなぜか、至極どうでもいい質問を放り投げていたのだった。
「……Kさんそれ、”バディ”好きですね…刑事ものとか好きなんですか?」
「ん~、ジャンルにこだわりは無いつもりやけど、結構観てるかもな…」
そんなやり取りをした後、僕達は本日の格安宿巡りへと繰り出していった。
今日は10km圏内最後となるアパートの北~北東にかけてのエリアで、埼玉方面がメインとなる。
昨日より遅い時間の出発となったためか、車が走り出した道路は空いていた。
出だしは遅れてしまったが、3日目の捜索はスムーズに滑り出せたのだった。
では今回はこの辺で!
続きは次回の掲載記事か、Amazon kindle 借金取りといっしょ!の人探し(上) でどうぞ~
ではまた~
初めましての方、この創作物は…
創作物掲載記事に初めて遭遇してしまった閲覧者様へ、
この作品の概要や、注意点についてご紹介します!
●どんな話?
・写真調の 挿絵いっぱい!ノベルゲーム風小説 です。サクサク読めます。
・考えすぎるライター&怪しい借金取りによる、不気味で 笑えて ほっこりする 人探しミステリーです。
・ジャンルは、ミステリー&ブロマンス です。
もうちょっと詳しく言うと…
・主要登場人物が3人だけ!殺人事件、探偵、警察も出てこない珍妙ミステリーです。
・2人の感情の動き、距離の変化、クソデカ感情をじっくり堪能できます。
・内向的な方におすすめ!「疲れにくく、深く楽しめる」物語になっているはずです。
●注意事項
・この作品はkindleで販売済み&購入者様もいらっしゃるため、結末まで掲載しません。
上巻の5~6割くらいまでの掲載とする予定です。あらかじめご了承ください。
あらすじ
―預かって欲しいものがある。
そんなきな臭い頼みを、恩人の先輩から引き受けたライターのy。
がその直後、先輩は音信不通となった…。
不安に駆られたyは、先輩の住む都心のアパートへと向かう。
そこで底知れない恐怖を感じさせる男、借金取りのKと出会うが…
日常に潜む…”闇”を垣間見る不穏なミステリー
あなたも、少し覗いてみませんか…?
あと、念のため…
この創作物は、内向的bが文も、絵というか画像も、全部一人で作ったものになります。
AIさんの手すら全く借りていない、ペンネーム通り「ぼっち」で作り上げた作品です。
よかったら宣伝、おすすめ、拡散していただけると、うれしいです。
とっても励みになります!
「借金取りといっしょ!の人探し」は、内向的bが心を込めて作った作品です…
作品やその一部を無断で、複製・盗作・販売行為などはご遠慮ください。
※このブログでは作者自身が、記事数を増やすために掲載しているだけで、無断転載ではないです!
この物語はフィクションです。
作中で登場する人物、団体、名称、事件等は架空のものです。実在のものとは関係ありません。
★感想・アウトプット的スペース★ 閲覧者様の思ったこと、聞かせてくれませんか…?