お疲れ様です。
早いとこ100記事達成したい!アクセス数をアップさせたい!と企んでいる内向的bです。
今回は、内向的bの創作物「借金取りといっしょ!の人探し」の掲載記事になります。
「お前は何を言っているんだ」
となった方は
本文を飛ばして先に「初めましての方、この創作物は…」を
読まれることを推奨します~
本文 「借金取りといっしょ!の人探し」
(冷蔵庫……まさか、死体でも入ってたとか…?!)
先輩のバラバラ遺体が、冷蔵庫内に所せましと詰め込まれ、その生首が―
「この肉、消費期限、今日やで…!」
「……………………………………、…………は?」
「は?とか言うとる場合やないで!今日中に食べたあかんてっ!
しかも牛やで牛!えっ!マジでどないしょっ!?」
(…え?…何?なに言ってるのこの人?)
男は人の家の冷蔵庫を勝手に漁った挙句、勝手にテンパっている。
僕は男の言動、思考についていけず呆然自失。
(た、確かにもったいないけど…。人様の食料だし…勝手に食べるのは、ちょっと…)
もちろん、初対面の危なそうな男にそんなこと面と向かって言えない僕は、心の中だけでたしなめた。
「なぁ、後輩君。
ボクなぁー、料理出来ひんのよ。まぁ家事全般、得意やないんやけどな。」
男からの突然の自己申告。嫌な予感がする。
「君、料理とかできる人?」
(あー…、やっぱり、そう来ますか…)
その展開に男が何を求めているか、分かってしまった。
「…で、出来なくは、ないです、ケド…」
(でもさすがに人様の家で勝手に料理するのは、ちょっと…)
またまた面と向かって言う意気地がない僕は、今度は精一杯、態度に滲ませてやった。
「なぁ後輩君……、可哀想と思わん?
この肉、捨てられてしまうんやで。命が、無駄になってしまうんやで…?」
男は悲しげに言った。命という単語がなんか、軽く扱われてる気がする。
「せやけど、今ならギリギリ救える。
ボクだけじゃ救えへんかったけど、後輩君、君が力を貸してくれるなら…!」
男はそう言いながら僕の方を、縋るように返り見たのだった。
(なんなんだろう、この茶番は…
うわ、無駄に目をキラキラさせないでくれ…)
男はそれ以上、何も言わなかった。
ただ黙って、潤んだような瞳で僕を見つめ続けた。
僕がまた、押し圧力に屈するのを、確信を持って待っているのだろう。
はぁ………………………………、………………。
ごめんなさい、先輩。
「え、………うまい。
…え?ホンマ美味いんやけど……」
肉じゃがを一口掬い入れた男は、半ば呆然としながら呟いている。
そんな男を横目に、自分も久しぶりに作った肉じゃがの味を確認する。
(…うん、まあ上手くできた。あーでも、じゃが芋にはあんまり味が染みてないな…)
でもそれは、致し方ないことだった。
後輩君は見かけによらず器用なんやね~、と微妙なことを 宣うのたまう元凶を見ながら思い返す。
キッチンには、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、ポットと家電が一通りそろっていた。
どれも一人暮らしにちょうど良さそうなサイズだ。
シンクは乾いており、洗われたと思われる皿やコップが金ザルの中に入れられていた。
一口だけのガスコンロには、煮物を作るのにちょうど良さそうな両手鍋が乗っていた。
綺麗だったので、さっと水洗いして使わせてもらうことにする。
食材などを確認したところ、男の一人暮らしにしては食材や調味料もそこそこ揃っていた。
(先輩、料理する人だっけ?)
以前たまたま自作料理を振る舞った際に、ほとんど買って済ませていると言っていた覚えがある。
(節約のために始めたとか…いや、彼女さんとかが作りに来てくれてたのかもな)
先輩の食生活を想像していたところ、じゃが芋を発見した男から「肉じゃがが食べたい!」というリクエストが入った。
(じゃが芋の皮剥きとか、芽取りって面倒なんだよな…)
牛丼の方が楽だと思う。牛肉の救世主の威光を用いて「牛丼じゃダメですか?」と勇気を出して聞いてみた。
「牛丼…も、ええんやけど、ね……」
すると、男はなぜだか想定外に凹んだのだった。
僕を夕飯づくりに追い込んだ時のような、芝居じみた感じもしない。
(え!本当に落ち込んでるようだぞ、この人…)
この男の情緒を読むのは大変難しいと思う。
でもしょげた姿は、哀れみを誘うものだった。
―何か、肉じゃがに想い入れでもあるのだろうか?
……………………………………、………………………はぁ。
「……肉じゃがにしてもいいですけど、その代わり、じゃが芋をむいてください。ピーラーあるので。」
僕のその言葉で、男は瞬く間に元のテンションを取り戻した。
最初は頼んだ通り皮むきなどをしてくれて、助かったと思った…が。
なぁー、まだなん?
うわっ、めっちゃいい匂いしてきた!
まだー?お腹すいたわー
なぁ、もう食べよ?
いやこれ、食べれるって!
料理中盤からの凄まじい催促に、僕はもう、疲れ果ててしまったのだった。
幸い、今はうってかわって、男は黙々と肉じゃがをメインとした夕食を食べている。
静かになってくれて、ホント助かった…
(あ、肉じゃが少なくなってきたな。早めに鍋ごと持ってくるか…)
脳裏に、肉じゃがが無くなってしょぼんとした男の姿が思い浮かんだ。
またうるさくなるのも困る。先手を打つため、立ち上がりキッチンに向かった。
「……なあー、後輩君~?肉じゃが、もう無いん…?」
「まだありますよ、ほら」
案の定のタイミングだった。
では今回はこの辺で!
続きは次回の掲載記事か、Amazon kindle 借金取りといっしょ!の人探し(上) でどうぞ~
ではまた~
初めましての方、この創作物は…
創作物掲載記事に初めて遭遇してしまった閲覧者様へ、
この作品の概要や、注意点についてご紹介します!
●どんな話?
・写真調の 挿絵いっぱい!ノベルゲーム風小説 です。サクサク読めます。
・考えすぎるライター&怪しい借金取りによる、不気味で 笑えて ほっこりする 人探しミステリーです。
・ジャンルは、ミステリー&ブロマンス です。
もうちょっと詳しく言うと…
・主要登場人物が3人だけ!殺人事件、探偵、警察も出てこない珍妙ミステリーです。
・2人の感情の動き、距離の変化、クソデカ感情をじっくり堪能できます。
・内向的な方におすすめ!「疲れにくく、深く楽しめる」物語になっているはずです。
●注意事項
・この作品はkindleで販売済み&購入者様もいらっしゃるため、結末まで掲載しません。
上巻の5~6割くらいまでの掲載とする予定です。あらかじめご了承ください。
あらすじ
―預かって欲しいものがある。
そんなきな臭い頼みを、恩人の先輩から引き受けたライターのy。
がその直後、先輩は音信不通となった…。
不安に駆られたyは、先輩の住む都心のアパートへと向かう。
そこで底知れない恐怖を感じさせる男、借金取りのKと出会うが…
日常に潜む…”闇”を垣間見る不穏なミステリー
あなたも、少し覗いてみませんか…?
あと、念のため…
この創作物は、内向的bが文も、絵というか画像も、全部一人で作ったものになります。
AIさんの手すら全く借りていない、ペンネーム通り「ぼっち」で作り上げた作品です。
よかったら宣伝、おすすめ、拡散していただけると、うれしいです。
とっても励みになります!
「借金取りといっしょ!の人探し」は、内向的bが心を込めて作った作品です…
作品やその一部を無断で、複製・盗作・販売行為などはご遠慮ください。
※このブログでは作者自身が、記事数を増やすために掲載しているだけで、無断転載ではないです!
この物語はフィクションです。
作中で登場する人物、団体、名称、事件等は架空のものです。実在のものとは関係ありません。
★感想・アウトプット的スペース★ 閲覧者様の思ったこと、聞かせてくれませんか…?