#47_№11-借金取りといっしょ!の人探し (日常に潜む…”闇”を垣間見る不穏なミステリー)

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創作作品(一般向け)
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お疲れ様です。
最近はもっぱら、記事数稼ぎ…
じゃなくて自分の創作作品をアップしている、内向的bです。
 
今回の記事も、内向的bの創作物「借金取りといっしょ!の人探し」となっております。
 
「な……っ!?」
 

となった方は
本文を飛ばして先に「初めましての方、この創作物は…」
読まれることを推奨します~ 

  

本文 「借金取りといっしょ!の人探し」

 
「手料理作って食べさせてほしいねん!」

 

「………………………は?」

 
(それだけ?)
予想外の要求にポカンとなった。

「もう~ホンマに、後輩君の料理めっちゃ美味かったんやもん!
 ボク、手料理ちゅうか家庭料理が好きやねんけど、食べる機会なくて飢えとんねん。
 せやから、めっちゃ感動したんよ…!
 三食、君の飯食えるなら協力するから~」

いやぁ、ホンマどストライクなんやわ~。
ちょい薄味やけど、しつこくない程度に出汁はきいてて…と男は、家庭料理へのこだわりを勝手に語りだした。

未だあっけにとられている僕をよそに、ひとしきり語った後、男は纏う空気を一変させた。

「でなー急がせて悪いけど、今、決めてくれへん?
 君に断られたら、明日にでも会社に報告せんとなぁ…
 Sさん消えましたー、なんか後輩って奴がアパートに来てますー、とかってな?」
男は、まずはにこやかに圧をかけて催促してきたのだった。
 
「まー、もし OK してくれるんなら、そうやね…
 まだ確実にバックレたかは分からんからなぁ、一週間くらいやったら誤魔化しとってあげてもええよ?」
そう言って最後に飴をちらつかせた男。
そのやり口は、交渉事への”慣れ”を感じさせた。

 

(…これ、絶対裏があるだろ。)
ここで男のペースに呑まれるのは危険だと察した。
手料理を対価に協力してくれるなんて、おかしいと思う。
まず、僕の料理なんて自分がおいしく食べるためのもので、人に振舞うレベルのものじゃない。
 
違和感を押し流してはいけない。
自分の都合のいい事だけに目を向けるのは、相手の思う壺だ。
きっと後で、思わぬ落とし穴が僕を待ち構えているはずだ。

 

でも…
もし、家探ししても<預かっていて欲しいもの>を見つけられなかったら…どうする?

(既読がつかなくなったのは、2日前の9月3日から…)
もし<預かっていて欲しいもの>を準備する前に、先輩がこの部屋からいなくなっていたとしたら。

頼み事の大元が見当たらないから「自分はお役御免」だと解釈していいのか?
そうして、何事もなかったかのように帰ってもいいのだろうか?
”今困った状況になっていて…助けてほしい”
先輩は焦っていた。困っていた。助けを求めていた。
それなのに何もせず帰る…?

このまま違和感のある状況を、何も見なかったことにして帰ったとして。
そして、もし、先輩が変わり果てた姿で見つかったら?
あるいはこのまま先輩の無事が確認できず、2日前のラインが最後の消息となったら…?


(僕はきっと、あの時どうして何もしなかったんだ、と後悔する……)

思い悩みなかなか返事ができない僕を、男は見限りはじめたらしい。

「…まあ、無理強いはせんから。ええと思うたんやけど、しゃあないかぁ。
 ボクは君の料理を食べれる、後輩君は先輩と会って受け取りたい物をもらえる可能性が上がる…
 ウィンウィンてヤツやと思ったんやけどな~」
ボクらが先輩見つける前に会えるとええな、と男は励ましの言葉まで贈ってきたのだった。

 

(僕は今の先輩のこと、ほとんど知らないんだよな…)
大学時代は顔見知りという程度で、連絡先の交換なんかもしていなかった。
授業以外の事で話したのも数えるほどしかない。
2年前に再会した時には、連絡先を交換し、数回飲みに行ったりしてお互いの仕事の話などはした。
僕の転職活動がひと段落した後も何度か会った。
でもそれ以降は特にやり取りをしていなかった。

だから僕が持つ先輩の情報は、2年前で止まっている。
そして男の指摘通り僕には捜索の足も無い。
人探しのノウハウも、情報収集の伝手もなかった。

本当に、ここで断ってしまっていいのか?
リスクを冒さないための、自分の身可愛さだけの決断をして、先輩を探し出す可能性を下げてしまってもいいのか?
一人で探した結果、先輩も見つからず、頼みも果たせなかったら…?


(僕はまた、罪悪感に苛まれるかもしれない………)

それが、今、一番怖いことだった。

 

「……………わかりました。
 一緒にS先輩を探してください。三食、作りますので。」

 

腹をくくった僕は、真っすぐ男の目を見て頼んだ。
協力を依頼するのだ。いくら相手が怪しげな人物でも、誠意を示すべきだろうと思った。

男の茶色の瞳と、視線が交わる―

 

 

では今回はこの辺で!
今回もまた画像が多かったですね…
閲覧者様のページ読み込みが、重くなっていませんように…orz

続きは次回の掲載記事か、Amazon kindle 借金取りといっしょ!の人探し(上) でどうぞ~

ではまた~

 

初めましての方、この創作物は…

創作物掲載記事に初めて遭遇してしまった閲覧者様へ、
この作品の概要や、注意点についてご紹介します!
 

●どんな話?
・写真調の 挿絵いっぱい!ノベルゲーム風小説 です。サクサク読めます。
考えすぎるライター&怪しい借金取りによる、不気味で 笑えて ほっこりする 人探しミステリーです。
・ジャンルは、ミステリー&ブロマンス です。

 

もうちょっと詳しく言うと…

主要登場人物が3人だけ!殺人事件、探偵、警察も出てこない珍妙ミステリーです。
・2人の感情の動き、距離の変化、クソデカ感情をじっくり堪能できます。
・内向的な方におすすめ!「疲れにくく、深く楽しめる」物語になっているはずです。

 

●注意事項
・この作品はkindleで販売済み&購入者様もいらっしゃるため、結末まで掲載しません
 上巻の5~6割くらいまでの掲載とする予定です。あらかじめご了承ください。

 

あらすじ

 
―預かって欲しいものがある。

 
そんなきな臭い頼みを、恩人の先輩から引き受けたライターのy。
がその直後、先輩は音信不通となった…。

不安に駆られたyは、先輩の住む都心のアパートへと向かう。
そこで底知れない恐怖を感じさせる男、借金取りのKと出会うが…

 
日常に潜む…”闇”を垣間見る不穏なミステリー
あなたも、少し覗いてみませんか…?

 

あと、念のため…

この創作物は、内向的bが文も、絵というか画像も、全部一人で作ったものになります。
AIさんの手すら全く借りていない、ペンネーム通り「ぼっち」で作り上げた作品です。

よかったら宣伝、おすすめ、拡散していただけると、うれしいです。
とっても励みになります!

 

「借金取りといっしょ!の人探し」は、内向的bが心を込めて作った作品です…
作品やその一部を無断で、複製・盗作・販売行為などはご遠慮ください。
※このブログでは作者自身が、記事数を増やすために掲載しているだけで、無断転載ではないです!

 

この物語はフィクションです。
作中で登場する人物、団体、名称、事件等は架空のものです。実在のものとは関係ありません。

★感想・アウトプット的スペース★  閲覧者様の思ったこと、聞かせてくれませんか…?

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